∫hiRo 〜雨の向こうで僕が思うこと〜
 

 僕はマリちゃんが、僕のところにいちばんに来てくれことが、とても嬉しかった。

「マリちゃん!久しぶりだね!」

 元気なマリちゃんの僕への嬉しい攻撃は、まだまだ続く。


 そして、横になった僕の背中にマリちゃんが乗った。


――その時だった。


「マリ!宗一郎なんかと遊ばないの!ケガしたらどうするの?早くこっちに来なさい!」

 突然、悲鳴のような叫び声が聞こえた。


 マリちゃんのママだった。


 ご主人やご主人の奥さんと話すときとは、声も顔つきも全く別人みたいだった。



「ご、ごめんなさいっ」

 僕は思わずマリちゃんのママに謝って、急いでその場から逃げた。


 でも――


 僕は今、何か悪い事をしたの?






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