ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
「当然!! あたしにあんな態度とったら、説教よ。いつか、女の子へのあの態度も矯正してやるわ。社会通念上、頂けないでしょう、仮にも財閥の御曹司なんだし」
再び項垂れた煌から、長い溜息が聞こえてきた。
「お前さ……」
ゆっくりと顔を上げる野性的な顔。
「櫂のこと、どう思ってんの?」
眉根を寄せた酷く真剣な面差しが、真っ直ぐあたしに切り込んでくる。
「どうって……」
そんなもの、決まり切っている。
「この上なく大事な幼馴染。櫂の幸せがあたしの幸せ。あたし達の仲は永遠。
……煌だって知ってるでしょ、何よ今更」
すると煌はさらに重い溜息を重ね、なんとも複雑そうな表情を浮かべて、あたしを見る。
「幼馴染もいいけどよー、お前、そろそろオトコゴコロっていう奴、察しろよ」
「? 何よいきなり。あたし達の間にオトコもオンナもないでしょ。そんなの超越した素晴らしい関係じゃないの」
「……鈍感も度が過ぎれば、ただの阿呆タレ。人の心情ってのに疎い俺が、何で説教よ?」
あたしの方が聞きたいわ。
「そういえば煌と2人で帰るっていうのも久々だね。吃驚したよ、朝櫂から突然メール」
思い出す。
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Title: 連絡
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休む。
病気じゃない。
煌を付けろ。
-END-
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何て判りやすいシンプルメール。
愛想も素っ気もない。