ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
「!!!!?
馬鹿陽斗ッ!!
黙っててッ!!!」
焦る芹霞に無性に苛立ついてくる。
「はる、と……!!!?」
道化師の名前、か?
いつから名前で呼び合う仲になったんだよ!!!
何だ、そんな親密そうに。
冗談じゃねえッ!!!!
俺はぎりぎりと歯軋りをして――
男を殴った。
反射的に踏み止まった金色の男は、俺に殴られたということが信じられないといったような驚いた顔をして。
そんな顔の男が、更に俺を煽る。
「お前、芹霞に手を出したのか」
自分でも恐ろしく思うくらい、獣の唸るような低い声が出た。
俺は無意識にピアスの太陽石を手に取り、光りを放つ偃月刀に変化させる。
初めて顕現を目の当たりにしたのだろう、芹霞の驚く様が視界の端に映ったが無視した。
手に刀のずっしりとした感触を確認すると、俺は道化師との間合いを一気に詰めた。