ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
「ああああああああ!!!」
僕は声にならない叫び声を発した。
ベンツが不自然にガタガタと揺れた。
突如――
月長石が、強い光を放つ。
まるで僕の慟哭に呼応するように。
青色が煌めいて…白に近くなっていく。
その光は…芹霞の心臓に向かう。
繋がれる白の橋。
僕は必死に祈った。
「芹霞、芹霞!!!!」
必死にその名を呼び続けた。
やがて――
「ん……」
そんな声が聞こえた気がした。
芹霞の指先がぴくりと動いた。
「芹霞!!!?」
頬に赤みが差してきた。
「芹霞!!!」
芹霞の眼がゆっくり開かれる。
「……玲くん?」