ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
 

がたがた身体が震える。

自分の身体が制御出来ない。



赤い瞳をもつ着物姿の少女。


こちらにおいでと手招きしている。



「芹霞!?」



櫂が吃驚してあたし見る。



見開かれる、櫂の漆黒の瞳。


視界が暗くなる。



――闇だ。



真っ暗で何も見えない。



寒い。


凍えそうだ。


怖い。



助けて。


あたしを1人にしないで。



やめて。

この漆黒の色を何とかして。


真紅色に変わるこの色を!!!



――芹霞ちゃああん!!



……ああ、



一面真紅色。


真紅色の中央には、

蠢(うごめ)く肉の塊。



……あれは。



――いやだあああ!!



……見慣れたあの顔は!!




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