ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
 


平然としているのはどうも私だけのようだ。


今まで櫂様と芹霞さんが2人で居ることはあったのに、どうして今更、玲様達がそこまで気にするのかよく判らない。


芹霞さんが居なくなってから、馬鹿蜜柑や玲様は、芹霞さんへの気持ちをお互い隠さないようになったと思う。


隠せなくなった、のか?

まあ、お互いにお互いの気持ちを知っているから、今更隠す必要も無いのだろうけれど、それでも隠そうとしていた昔を思えば、それは奇異なるもので。


開き直りとも…また少し違う気がする。



例えばあの馬鹿蜜柑は――

おろおろとした挙動不審さがなくなった。



例えば玲様は――

あの紅皇にさえたてついた。



会いたい心が、恋心が、募り募って切羽詰まっているのだろうが、その変化は興味深い。


"恋愛"とは、他人がとやかくいうような理屈じみたものではないらしい。


強いて言うなら"自覚"と"覚悟"。


だとすれば、私が馬鹿蜜柑を怒鳴ったあの時間は、徒労であったのだろうか。


何だか…面白くない。

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