ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
「おお、坊。どうだ、お前も一杯」
緋狭様は私にコップの追加を促した。
「緋狭さん……無事に戻れたんですね?」
「ああ。坊だけだな、会うなりすぐに私を心配してくれるのは。この者共は、やさぐれて、現実逃避にアル中だ。
何と不甲斐ない男共だ」
少しばかり、事実が捻れている。
私が用意したコップに酒を注いだ緋狭さんは、櫂様に勧めた。
「さあ、飲め」
ああ、やはり櫂様も飲めてしまうのか。
「お前も疲れたろう、特に肉体が。
――で、何処まで芹霞を攻めてきた?」
「ぶっ!!!」
その言葉に玲様がお酒を吹き出した。
私はさっと身をかわしたから、今回は顔面噴射は免れる。
「早速処女の確認でもしたのか? ん?」
途端に馬鹿蜜柑が立ち上がった。
「したのか、櫂!!?」
しかし、それを制したのはやはり、
「ほう。ナニをシタと思ってるんだ、馬鹿犬が」
すっと目を細めた緋狭さんに敵うはずもなく。
「~~ッッッ!!!」
真っ赤な顔で唸った馬鹿蜜柑は、あっけなく崩され、不愉快そうにどすんと座って胡座をかいた。