ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
この脱力感。
どう表現したらいいのか判らない。
画面の中には――
妙にリアルな赤い薔薇に囲まれた…
丸文字の表題がピカピカ光っている。
下には小さく――
"(C)アリス委員会"とまである。
ゲームだ。
どう見ても怪しげなゲームだ。
これの何処が…
重要性があるというのか。
あたしのドキドキを返して欲しい。
だけど、この怪しいインパクトのおかげで思い出した。
昨日…弥生の携帯にて、
強制的に見せられて説明うけた…恋愛ゲームのものに他ならない。
ドキドキキュンキュンするらしい、今流行のゲーム。
オトコゴコロが判るらしい、乙女の為のゲーム。
それと同じ画面のものが、
あたしの携帯画面に映っている。
もう…笑うしかないね。
あたしに託されたの、ゲームだったなんてね。
所詮あたしなんて、そんなものだよね。
機密情報…であるはずないよね。
地味に…凹んだ。
同時に…そんなゲームが忌々しい。
「発売元は何処よ。"(C)アリス委員会"ってトコ!!!?」
「これは有志…同人系ゲームだから、発売元はないわ。クチコミで広がった、無料のゲーム。これを作った…美形男子好きな女の子の集団名じゃない? きっとこの子達も、東京イケMENSが好きなのね」
東京イケMENS――。
東京都に実在する、超美形な現役男子高生達を総称して言うらしい。
誰が名付けたのかは判らないが、
呼称のセンスは良くない。
――このゲームはね…
ああ、ようやく…昨日、弥生に教えて貰ったことが蘇る。
弥生曰く――
この"B・R(ブラッディ・ローズ)"だとかいうゲームの攻略対象キャラは5人。
全て東京イケMENSの男子らしい。
誰もが憧れる美形男子5人が、
甘い言葉を囁き恋人になる…
少女の妄想を2次元化した世界だ。
選択によっては過激な展開もあり、複数の美形男子が主人公を奪い合ったり、主人公がふらふらしていると、美形男子同士が結ばれるBL結末もあるとか。
そんな話だった気がする。