ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~



"僕"は母が嫌いだ。


"僕"は紫堂が嫌いだ。


"僕"は紫堂の力が嫌いだ。



紫堂の力が攻撃を求めているのなら、"僕"は守備に力を注ぎたい。



そのちっぽけな拘りで、芹霞を陽斗に奪われた。



そんなこと、全然望んでいなかったのに。



いくら我慢しても。

いくら諦めても。



欲しいものは消え失せることはないと、教えてくれたのは芹霞だから。



出来ればもう一度。



その瞳に僕の姿を刻み込んで、


――玲くん。


僕の名前を呼んで貰いたかったけれど。



芹霞の命がなくなったあの一瞬。


僕は本当に後悔したんだ。



だから僕はもう――

後悔はしたくない。



奪われるだけの人生なんて…


糞食らえ、だ。


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