ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~




「うふふふふ。

元老院に敵対するおつもりですの?」


艶然と笑う、藤色の着物姿の少女。


そして…顔から笑みが消えたと思った刹那、突如口調が変わったんだ。


「愚かな男達。何様のつもり?」


その呟きは、篠山亜利栖か、藤姫か。


ぞくりとする程の、侮蔑混じったその声音。



「早く……

滅んでしまえばいいのに。


"あの女"諸共、早く……」



そして――



ガタガタガタッッッ



建物が激しく揺れたんだ。



「何だ!!?」



少女が笑う。



「時が来たようですわね」



続けて11人分の笑いが響く。

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