ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
「芹霞」
玲の元に駆け出そうとする最愛の人。
俺は、その腕を掴む。
そして…俺は――
絞り出したような…掠れた声を出した。
「なあ、いい加減……
幼馴染は卒業しないか?」
黒目がちの大きい目は、じっと俺を見ている。
気づいて欲しいだけだった。
もういい加減。
待ったんだ。
ずっとずっと俺は待っていたんだ。
「俺はお前の……
"特別な男"になりたいんだ」
気づいて、くれ。
直接的な愛を告げられない、
俺の…想いを。