ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~


あたしは機械なんて判らない。

御階堂の家のものとは比較にならない、この設備。


凄いものだということは、その熱量だけでもよく判る。


特に入ってきたドアの正面、突き当たりにでんと居座っているのは、映画で見たような、近未来の装置にもよく似ていて。


櫂の家の広い居間の壁以上の、巨大なスクリーンが拡がっている。



映っているのは――

あらゆる角度を映す東京の分割画面。



どれもこれもが惨状で、血色の薔薇の痣も蠢いている。


まるでゾンビ映画のワンシーンをあらゆる角度から獲っているように。


それだけではない。


画面には――

櫂が居る。


外界ではないようだ。

何処かの室内だ。


櫂だけではない。


煌も桜ちゃんも陽斗も。


横たわる櫂を前に、何やら言い争っている。


櫂の熱はまだ下がらないのか。



ああ、あたし達…


ここで監視されていたんだ。


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