ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
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先頭の蒼生が案内したのは、その階にある…分厚い扉の奥だった。


入り口には、軍服を着た自衛官らしき男が左右2人。


蒼生を見ると背筋を正して最敬礼だ。


蒼生はそれを特に気に留めるでもなく、男達の前を平然と通り過ぎ、そしてドアを開けると――


「うわ、何ここ……」


コンピュータだらけの広い部屋が拡がっていた。


あたし達が足を踏み入れると、中にいた制服姿の男達が振り返り、蒼生にやはり敬礼して、即座に部屋から出て行った。



この部屋には、

あたし達3人が残された。


「ここはね、システム防護隊っていってね、特にサイバー関連情報に関する調査研究を主な任務にしている機関。

どうも由香チャンが命がけで作ったパスワードがさ、此処の彼らでも解除できないみたいでね、白き稲妻の出番というわけさ」


忙しく電光が動いている。


「由香ちゃん……

命がけってどういうこと!?」


あたしの声は裏返った。


「まさしく言葉の通り。

でもまあ、まだ生きてはいるけどね、あはははは」


あたしはぎりと歯軋りをした。


由香ちゃんは。


櫂を助けようとしてくれただけなのに。



「白き稲妻がパスワード解除したら、返してあげるよ。気高き獅子の骸の代わりに抱けばいい。あはははは」


あたしは端麗な顔を見上げる。

翳りある顔からは表情が判らない。


だけど。



あたしは玲くんを信じている。

玲くんだけしか、良き道を拓けない。



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