ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
この顔は、玲くんなのか、"玲くん"なのか、藤姫に操られた別の人格なのか。
それは判らないけれども。
もし此処にいる玲くんが、普段滅多に見せない心の内を見せてくれているなら。
「あたしも玲くんが好きだよ?」
玲くんがどんな顔を向けようとも関係ない。
あたしだって真剣に玲くんが好きだから、同じくらいの真情を返したつもりだった。
――芹霞好きだよ?
――あたしも玲くんが好き!!
あんな程度ではなく。
「意味が……
違うんだよ、芹霞」
だけど玲くんは自嘲気に笑い、
静かに頭を横に振ってあたしの心を拒む。
「僕は――…
恋愛対象として、君が好きだ」
「……え?」
「芹霞を…抱きたい。
その…"好き"だ」