ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~


ボディブローを食らってふらふらの処に、見事なアッパーを頂いた心境。


あまりに連続的に起こる衝撃に、つい思考が停止する。



誰が――


誰を好きだって?



目の前に居る、酷く綺麗な顔立ちをした王子様風の白皙の青年は、長年の付き合いがある家族同然の大事な男性で。


え?


え!?


ええええ!!?



これ以上ないという程、

あたしの頭は混乱してしまった。



――僕に……応え……て?



今更、思い出してどうする?


あれは……

煌と同様に藤姫の差し金だったんだよね?


玲くん、地のわけないよね?


でも玲くんは、真剣さを消さずこちらをじっと見つめていて。


その綺麗な瞳に吸い込まれそうになった。



本気?


冗談?



判断つく程、あたしは経験値はまったくないから。


血の気が引いたり、沸騰したり。


許容量超過(キャパオーバー)で、あたしは暴走始める。


やばい、玲くんが見れない。


玲くんを、意識しすぎてしまう。


玲くんの感触を思い出してしまう。

玲くんの熱さを思い出してしまう。


玲くんらしからぬあの強引さに、

耽溺してしまいそうになる。


頭の中が…

玲くんしか考えられなくなってしまう。


今更――…。






「――って言ったら、どうする?」







くすり。


端麗な顔が微笑んだ。



いつも見ているあの優しい笑みだった。


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