ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
――約束します、父上。
今となっては、忌々しい俺の返事。
自分が種を蒔き育てたいばらに、身体を巻き付けられもがいている。
俺は、俺自身が作ったERRORに陥り……闇の区域に堕ちてしまった。
その闇の深さは、例え芹霞の中の闇石いえども、いつものように吸収や無効化できるものではないらしく、芹霞の精神が昂ぶったりと心が不安定な時などは、俺の闇に惑いやすくなる。
闇が濃い時……例えば俺が芹霞を求める心を制御出来ない時は、特にそうだ。
闇は共鳴する。
俺は芹霞を強く求めつつも、
強く求められない。
芹霞を護る俺の守護石の存在故に。
もし芹霞が俺を受け入れたならば。
少なくとも俺の中の闇は半減し、俺は強く求められるだろう。
壊してしまう程強く。
俺は最低限の闇の力でもって芹霞を生かし、芹霞を全力で愛せるようになるだろう。
そう――
思い続けてきたというのに。
いつまでとは言明されていなかったものの、藤姫が現れた今、そして親父がそんな密約を交わしていたというのなら、タイムリミットはもう間近だ。
このままだと、親父が俺を売る。