ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~



「あははははははは!」



突然蒼生が笑い出した。



横に居る藤姫は、かなり不機嫌そうだ。


藤姫も、緋狭姉を知っているのだろうか。


彼女は口を開かない。



画面が突然暗くなった――。



「日蝕だ」



蒼生の単語の意味は判る。


だけどだからどうなるのかまでは判らない。

判らないなりにも、危機くらい感じ取れる。



「!!!」



血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)の数が膨れあがっていた。


隙間がない程、血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)が居る。


こんなに――…

血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)は居たのか。


今までのような虚ろな動きではなく、自らの意思を持って、櫂達を……櫂を襲おうとしていた。


まるで餌に群がる…戦闘蟻の大群だ。


カメラが撮る景色は、血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)で埋め尽くされる。


弾き飛ばされるように隙間が空いても、また別の血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)で覆われる。



果て無き戦闘。


体力気力でどうにか出来る数じゃない。



あたしは身震いをした。


これが日蝕によって引き起こされる真実の呪詛だとしたら、この夥(おびただ)しい呪いの標的は…櫂に向けられるの?


櫂は――…

血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)の餌食になるの?


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