ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~


居るのか!!!?


緋狭姉、また気配殺して来ているのか?


どきどきして見渡してもその姿は見えない。



『お前が未熟なのは、

その鈍(なま)った心が原因だッ!!!』



多分、俺は恐怖の悲鳴を上げた。


頭に、俺の頭の中に、直接緋狭姉の怒鳴り声が聞こえてくる。


うわあ、やべえ。


完全、幻聴だ。


俺の罪悪感と恐怖感が幻聴を生んで――



『現実だ馬鹿犬めがッ!!!』



「ええ!!? 何でそんなことが出来るんだよ、緋狭姉ッ!!」


俺の心を読むなんて。



「……煌?」


やべえ。

櫂にとってみたら、俺はただの怪しい奴だ。



俺は心で会話しようと考えた。



『まだお前は私の腕環が何であるか、掴めていないようだな』



凄えや、緋狭姉の溜息まで聞こえる。


「……は? 腕環?」


「煌、本当にどうした?」


やばやば。


『本当にお前は馬鹿犬過ぎるな。成長というものがないのか、お前は』


『う。お小言は後で聞くよ。で、この重いだけのガラクタがなんだ?』


『何がガラクタだ!!! 私がいつもしていて、更には私の守護石の一部が嵌め込まれたものというのも判らぬのか、お前はッ!! 芹霞に盛っていたお前を、正気に戻せた有り難いものだぞ』


『~~ッッ!! 見てたのかよッ!!』


『当然だ。私の可愛い妹に……どいつもこいつも』


『……どいつもこいつもって、俺以外に他にいるのかよ!?』


聞き捨てならねえ!!!


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