ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~


玲は命を削っていた。


玲は芹霞の為に、俺を護っている。

芹霞を生かす為に、俺を護っている。


"生かせられる"という特別な立場を、玲も望んだ。

俺と同等な優位性を、自ら創り出そうとした。


解放されゆく、玲の"男"は。

色気という形で芹霞を惑わせようとする。


だとしたら。


命を燃え尽くそうとしている今でさえ、儚くとも…妖艶に思える色香を放つ玲は――


"男"として芹霞の横に生きたいと決心したということか。


輝ける玲。

その煌めきは、命を代償にして。


玲を散らせてたまるか!!!


俺は、氷皇の相手をすることで…煌に回復を願った。


しかし煌は動かず。

作ったのは…守護結界。


必要なのは守護結界じゃない、回復結界だ。


だけど――

玲の光が弱まっているのに、回復結界が作られない。


1つ――

悪い予感が頭を過ぎる。


まさか…いや、多分。



――特攻型の煌と一緒に居る限り、私が仮に瀕死に陥っても、自分で回復出来なければ確実に"死"にますわね。組むには頼りない馬鹿蜜柑ですわ。



煌は、"回復"が出来ないんだ。


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