ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
俺は、誇れるものが何一つない。
どんなに男を拘ってみても、ないものはなく。
俺しか出来ない、特別なものがない。
お前に惚れている男達は、それぞれに…人間らしい個性で、それぞれにお前を守っているのに、俺だけは何もない。
あるのは――
欠陥だらけの身体だけ。
情けねえよな。
俺も男だっていうのに。
だけど。
過去幾多――
身体を利用されてきた俺だから判ることがある。
過去幾多――
身体に責め苦を負った俺だから出来ることがある。
だからこそ。
誰よりも強く、深く…
お前と繋がることが出来る。
愛するお前と一心同体になれる。
そんな、俺だけに与えられた特権があること――それに気づいたんだ。
なあ?
利用されるだけが俺の"運命"ではないと、俺なりにもがいてみて、あがいてみて…出た結論なんだよ。
この為に俺は生きてきたんだな。
これこそが、運命だったんだ。
すげえ……幸せだ。
満ち足りた気分だ。
なあ、芹霞。
今度こそ、離さないからな?
俺はいつでも傍にいるから。
だから――
泣くなよ……?