青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「そうでした。クヲンさん、『晴天高校』というのをご存知ないですか?」
「…………すぐそこ」
冷めた態度でクヲンは自分がたった今、飛び立った屋上を指差した。
「あ! あんなところにあったんですね! クヲンさん、教えてくれてありがとうございます」
そう言って、ばか丁寧にお辞儀をしてからその屋上へ向けて翼を羽ばたかせようとするマリィの首根っこを、クヲンは掴んだ。
「なんのために行くつもりだ?」
「んぁ、離してくださいよ〜! 仙太さんが怪我してるから今日学校サボリますってお伝えしなきゃいけないんです!」
「…………ちょっと待て、色々と突っ込みたいことがある。まず怪我とか病気で学校を欠席する場合はサボリとは言わないの。あとな………」
クヲンは真剣な眼差しをマリィにぶつけて尋ねる。
「なんでお前の口から『仙太』って名前が出る?」
「え? 今、怪我していて、家にいますから」
「マジか!?」
「はい。あ、でも、だいぶ元気になられて、今朝も朝御飯作ってもらったんですよ〜。これがすごくおいしくて………きゃうん!」
マリィが微笑ましいニュースを報告するが、返ってきたのは容赦ないチョップだった。
「おバカになるじゃないですか〜〜」
「手遅れだ」
マリィの訴えを冷たい一言で切り捨てると、クヲンは顎に手を当てて考え事を始める。もちろん、マリィの首根っこは掴んだままだ。
「クヲンさん?」
クヲンの様子を見守っていたマリィが小首を傾げた頃、クヲンは何かを閃いたようでマリィに告げる。
「よし、それなら俺が代わりに言っておいてやる。そいつとは同じクラスだしな」
「わぁ、ホントですかぁ。助かります〜」
手を重ねて無邪気に喜ぶマリィ。クヲンも表面上は微笑みを浮かべているものの、内心では───
──黒い闇が広がっていた。
「…………すぐそこ」
冷めた態度でクヲンは自分がたった今、飛び立った屋上を指差した。
「あ! あんなところにあったんですね! クヲンさん、教えてくれてありがとうございます」
そう言って、ばか丁寧にお辞儀をしてからその屋上へ向けて翼を羽ばたかせようとするマリィの首根っこを、クヲンは掴んだ。
「なんのために行くつもりだ?」
「んぁ、離してくださいよ〜! 仙太さんが怪我してるから今日学校サボリますってお伝えしなきゃいけないんです!」
「…………ちょっと待て、色々と突っ込みたいことがある。まず怪我とか病気で学校を欠席する場合はサボリとは言わないの。あとな………」
クヲンは真剣な眼差しをマリィにぶつけて尋ねる。
「なんでお前の口から『仙太』って名前が出る?」
「え? 今、怪我していて、家にいますから」
「マジか!?」
「はい。あ、でも、だいぶ元気になられて、今朝も朝御飯作ってもらったんですよ〜。これがすごくおいしくて………きゃうん!」
マリィが微笑ましいニュースを報告するが、返ってきたのは容赦ないチョップだった。
「おバカになるじゃないですか〜〜」
「手遅れだ」
マリィの訴えを冷たい一言で切り捨てると、クヲンは顎に手を当てて考え事を始める。もちろん、マリィの首根っこは掴んだままだ。
「クヲンさん?」
クヲンの様子を見守っていたマリィが小首を傾げた頃、クヲンは何かを閃いたようでマリィに告げる。
「よし、それなら俺が代わりに言っておいてやる。そいつとは同じクラスだしな」
「わぁ、ホントですかぁ。助かります〜」
手を重ねて無邪気に喜ぶマリィ。クヲンも表面上は微笑みを浮かべているものの、内心では───
──黒い闇が広がっていた。