青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
二限目終了後、更衣室で体操服から制服に着替えたクヲンはすぐさま教室に戻った。
目論見通り、空兎は不機嫌な顔で席についていた。
クヲンがそんな彼女の正面に立つと、少し表情を綻ばせるが、いつもの元気がない。
「空兎、良いニュースだ。せっちの行方がわかったぜ」
クヲンが告げてから数秒、空兎は、そのくりっとした目を最大限に丸くした後、勢いよく立ち上がりクヲンの両肩を掴んで聞き直す。
「……マジっす?」
「お、おぉ、マジっす」
「どこっ!?」
空兎の凄まじい声量と迫力に圧されながらもクヲンは答える。ただし、マリィが伝えたものとは異なることを、偽りの情報を空兎に教えるのだった。
「病院だってよ。怪我して入院してるって、病院から学校に連絡があったらしいぜ」
「………ホント?」
途端にか細くなる空兎の声に、クヲンの良心が揺れる。だが、後に退けない想いの方がほんの僅か上回っていた。
「あぁ……その怪我も大したもんじゃないらしい。だから、もう心配ないぜ」
空兎を安心させるように響くクヲンの声に、感極まった空兎は、クラスメートの注目の的になってるのも構わずクヲンに抱きついた。
一気にクラス中が冷やかしムードで沸き上がる。空兎はそんなものには全く気にせず無邪気に喜び、はしゃいでいた。
そして、クヲンはというと、空兎を見ているフリをして、実はその視線の先は机の脇にぶら下がっている鞄に紐でくくり付けられているキィに向けられていた。
(!……いい兆候かもな)
クヲンは、キィの尻尾の先の球体が黄色から黄金へと輝き始めるのを確認した。
$
「ただいま帰りました」
アパートに戻ってきたマリィを仙太は少しぎこちない笑みで迎えた。彼女が悪魔と知って見る目が若干、変わってしまっているようだ。
(でも、なんか悪魔ってイメージが湧かないな……)
少しとぼけてはいるが、清楚な印象を受けるマリィは悪魔というよりは天使と言われたほうが納得がいく。
目論見通り、空兎は不機嫌な顔で席についていた。
クヲンがそんな彼女の正面に立つと、少し表情を綻ばせるが、いつもの元気がない。
「空兎、良いニュースだ。せっちの行方がわかったぜ」
クヲンが告げてから数秒、空兎は、そのくりっとした目を最大限に丸くした後、勢いよく立ち上がりクヲンの両肩を掴んで聞き直す。
「……マジっす?」
「お、おぉ、マジっす」
「どこっ!?」
空兎の凄まじい声量と迫力に圧されながらもクヲンは答える。ただし、マリィが伝えたものとは異なることを、偽りの情報を空兎に教えるのだった。
「病院だってよ。怪我して入院してるって、病院から学校に連絡があったらしいぜ」
「………ホント?」
途端にか細くなる空兎の声に、クヲンの良心が揺れる。だが、後に退けない想いの方がほんの僅か上回っていた。
「あぁ……その怪我も大したもんじゃないらしい。だから、もう心配ないぜ」
空兎を安心させるように響くクヲンの声に、感極まった空兎は、クラスメートの注目の的になってるのも構わずクヲンに抱きついた。
一気にクラス中が冷やかしムードで沸き上がる。空兎はそんなものには全く気にせず無邪気に喜び、はしゃいでいた。
そして、クヲンはというと、空兎を見ているフリをして、実はその視線の先は机の脇にぶら下がっている鞄に紐でくくり付けられているキィに向けられていた。
(!……いい兆候かもな)
クヲンは、キィの尻尾の先の球体が黄色から黄金へと輝き始めるのを確認した。
$
「ただいま帰りました」
アパートに戻ってきたマリィを仙太は少しぎこちない笑みで迎えた。彼女が悪魔と知って見る目が若干、変わってしまっているようだ。
(でも、なんか悪魔ってイメージが湧かないな……)
少しとぼけてはいるが、清楚な印象を受けるマリィは悪魔というよりは天使と言われたほうが納得がいく。