青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
(炎が止んだ)

 レンカが一気に速度を上げて迫った。セレビアが何かを企んでいるのは目に見えている。もう容赦はできない。

 致命傷を負うかもしれないが、殺すつもりで掛からなければこちらがやられてしまう。

 今の彼女は、激しく煌く雷光、或いは向かってくるもの全てを燃やし尽くす灼熱の炎そのものに思えた。

 そんな相手にもう余裕は見せられない。

 一気に距離を縮め、黒き刃をセレビアの腹部へと突き刺す。セレビアの体がビクンと跳ねたと同時に眼鏡が地面へと落ちた。

「………ご安心してください。我が組織の医療技術ならばこの程度の負傷は治ります。これを抜かなければ、ですが」

 それは抜いてしまえば出血多量で死亡すると暗に告げていた。

 セレビアの口が笑みを象る。

「そう、あなた達の組織の医者たちは優秀なのね。ま、確かに……そうかもしれないわね。堕天使くんにやられちゃった傷も治してくれたものね……なら、少し安心ね」

 その瞬間、レンカが異変を感じ始めた。ヒュゥゥっと、冷気がセレビアの周囲に漂う。

青白い光がセレビアの手に淡く灯っているが、それはセレビア自身にしか知らない。


 ―氷の牢獄よ、かの者を凍てつくせ!―


 その呪文を唱えると同時に勢いよく青白く灯った光をレンカへと押し当てる。

 そこから現れた氷がレンカを瞬く間に覆い尽す。

 セレビアの狙いに気づいたものの、もがく間もなく、レンカは氷の牢獄へと閉じ込められた。

「安心なさい。時間が経てば溶けるか、あなたの仲間が連れ帰って溶かしてくれるわ。一種の冬眠状態だから死ぬことはない……って、聞こえてないわよね」

 氷の像と化したレンカに向けて、セレビアは勝ち誇った笑みを零した。今度こそ確実に勝負はついた。

 安堵しながらも、セレビアはまだ“ハイパー鬼ごっこ”事態はまだ終わっていない。

 空兎たちを援護するためにヨロヨロと足を進めていく。


 途中、ジョーの“大切な忘れ物”を発見し、やれやれとした面持ちでそれを拾い上げた。


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