青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
(ったく、やり辛いったらないぜ)

 こんなところもマリィと一緒だ。

 性格や雰囲気はまるで違うのに、自分を迷わせる点においては同じだ。

 必要以上に接触しすぎたせいだろうか。

 いくら迷いを捨て去ろうとしてもできない。大鎌の一振りができても、その後の一歩が踏み出せない。

(甘いな、俺って)

 それでもクヲンは己の計画のため、大鎌を握りなおして構えて白銀の刃を空兎に向ける。

 一方の空兎もファイティングポーズをとった。空手の構えとは似ているが、腰は落としてなく軽く膝を曲げて、ほぼ立った状態である。腰を落としてしまっては得意の足技が繰り出しにくいためだ。

 再び、両者の間に緊張感が漂う。

「ま、待ってよ!」

 それに耐え切れず、仙太が不意に叫んだ。

 両者の間に割って入り、その目をクヲンに向ける。

「なんだ?」

 鋭く睨みを利かすクヲン。その迫力に押されながらも仙太は、言葉を区切るように尋ねた。

「君は……本当は一体、何がしたいんだ?」

「あ?」

「本当は何のためにこんなことしてるんだよっ!? 僕達を騙したと思えば、緋上さんを助けたり……あのセレビアさんのハットだって、偽物だっていって、実は本物だったり……君の行動はいちいち訳分かんないんだよ!」

「……珍しく吼えるじゃないか…そんなに俺がムカつくか?」

「あぁ、ムカつくよ!」

 仙太が断言する。その後ろで空兎が少し驚いた表情をした。
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