舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
「あの…お金・・」



「今日はプレゼント。お祝い」


「え?!そんなのダメです!大体、何のお祝いですか?!」



私がそう詰め寄ると、怜音は少し考えて、思いついたかのように口を開いた。


「初デート記念?」


「な…」


「あ、照れてやんの。かーわいい」



そう言って私を指さした怜音。


楽しそうに笑う怜音を見ていたら、反論する気力もなくなって、私は苦笑いを浮かべていた。


「まあ、もらってよ。俺がプレゼントしたかったからした。それじゃダメ?」


「…じゃあ…ありがたく頂きます。ホント、ありがとうございます」


「どういたしまして。この荷物、店に置きに行ってもいい?ちょっと持ち歩くにはでかいし」


「あ、すみません。持たせちゃって。持ちます」


「お前ね、こういうのは男が持つもんなの」


「そういうもんなんですか…」


「うん。そうなの。行くぞ」


そう言って怜音はWINGへ足をすすめた。



強引な怜音に少し呆れながら、私もついていった。
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