舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
「あいつらは男だからいいの!奈々は女の子だからダメ」


「えー…そんな理不尽な」


「はい、社長命令―」


「あ、職権乱用!」


「何とでも言って」


「意外に頑固なんですね…」


「また使ってるし。今度からペナルティつけんぞ」


「ひどい…」


そう言って睨むと、怜音は口角をあげて笑った。


それから、他愛もない話をして、WINGに戻ったら、スタッフがもう大勢揃っていて、すぐにミーティングが始まり、営業が開始された。


今日は保っちゃんがお休みで、私はひっきりなしに働いていた。


今日はバイトに来るつもりはなかったけれど、怜音にシューズとレッスン着も買ってもらったし、今日は保っちゃんもいないっていうし、役に立たなきゃと思ったので、時間の許す限り働こうと思った。

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