舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
「お前、今日遅くまで平気?終電過ぎてもいい?」


「え?何で?」


「遅くまでいてほしいから。明日、朝からレッスン?」


「ううん、朝はジムだけど…」


「じゃあ、帰り、俺送ってくから、ちょっと遅くまで働ける?」


「じゃあ…わかった」


私がそう言うと、怜音はホッとしたような表情を浮かべ、店に入って行った。


今日、忙しいのかな?


でも保っちゃんもいたし、大丈夫だよね。


そしてまた私は額縁を拭きながら、名前をぶつぶつつぶやく。


その間も、出勤してくるみんなに声をかけられながら、名前と顔を一致させようと必死になっていた。


でも…多い!


ホストのスタッフだけでもう30人はいるし!


ホールスタッフも合わせたら何人だ…


はぁ、覚えられるかな。


みんな似たような髪型してるし!


うーん…


腕組みをしながら一番大きな写真の怜音とにらめっこしていたら、扉が開いた。


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