=寝ても覚めても=【完】
仁科の前に湯気立つカップを置いて頬笑み、主は元の椅子に戻った。
『いえ...頂きます』
飲み慣れない高級品だからか、熱さに混じってなんだか変わった味がした。
ひじかけに前かがみに頬杖をついて、主はまたじっとこちらを見ている。
別に研修医など珍しくもなかろうに。
では自分の顔がおかしいのかと、仁科は気恥ずかしさに顔が熱くなった。
主はしばらくたっぷりと無言で、カップに口を付ける仁科を見ていた。
それから不意に口を開いた。
『聞いていい?どんな味?』
『え?』