4人の嵐
別にまだ好きとかじゃないけどさぁ。
気になるって程度で…。
机にお盆を置いて、自分の麦茶をとり、言葉と一緒に一口、ゴクリと飲み込んだ。
『あ』
「どうしました?永樹さん?」
各々喋ってる中で、アップルジュースに口をつけた永樹さんが、呟いたのが聞こえた。
他の皆はそれほど気にしてないみたいで、各自話を続ける。
『これアップルジュースじゃん。俺、お茶がいい』
この我が儘ボーイめ。
一緒に過ごして分かったこと。
永樹さんはさらっと我が儘を言う。多分思うままに行動してるんだろう。
「言ってくれれば私がアップルジュースにしたのに」
ジュースがいいかなと思った好意のつもりだったんだけど裏目に出てしまった。
『それ、お茶?』
私の手元を指差す永樹さん。
「はい、そうですけど…」
『じゃあそれにする』
永樹さんはそういうと立ち上がって私の隣まできてしゃがみ、私の手から麦茶を強奪。
そのまま一気に喉に流し込む永樹さん。
喉が音をたてて、喉仏が動いて。
男、って感じがする。
『那子には俺の分のあげる』