4人の嵐
『那子の友達の中里唯(ナカサト ユイ)です。高校2年です。あの、そんなに謝らないで下さい』
流石私の友達っ。適応力抜群。
うんうんと、感心していると5人の目線はあたしに集中。
ん?
「何か…?」
『那子ちゃんの自己紹介は?』
竜さんが首を傾げながらそう言う。
「私は皆知ってるんですからいらないでしょっ?」
『俺、那子の自己紹介聞きたい』
じっと私を見つめる永樹さん。
自己紹介聞きたいって、もう意味が分からないし。
『いいじゃん、那子っ』
唯まで…。
てゆうかさっきから名前呼んでるし、なのに自己紹介って…。
はぁ、とため息を吐いた。
「坂倉那子(サカクラ ナコ)16歳。誕生日は11月22日で『那子、お茶』
言い終わる前に永樹さんによって強制終了。
私の自己紹介聞きたかったんじゃなかったの!?
「はぁ…、分かりましたから、大人しく待ってて下さいね」
永樹さん相当喉乾いてるみたいだし。
自己紹介にもぶっこんでくるくらいだしね。
でも、確かにそれほど広くない部屋に6人、しかもそのうち4人は今大爆走してきてる上に皆図体がでかい。
こんな状態の梅雨でムシムシしてる6月は、夜と言えど暑い。