神隠し
アタシは日記を閉じて、深く息を吐いた。

アタシが調べられる範囲だけど、一応調べてみた。

あの町と、あの土地の神様のことを。

2人の少年達が言っていた通り、あの土地には複数の神様が存在していた。

神様達はお地蔵さんの形を取り、人間達と関わってきた。

土地の人間はお地蔵さんにお供えをすることで、守ってもらっていたのだ。

そして人間の代表として、1つの血筋の者達がいた。

彼等は土地の神様達と交流ができ、特に気に入られた者はあちらの世界へ連れて行かれることもあったそうだ。

…こっちの世界ではそのことを、『神隠し』と昔は言っていた。

文字通り、『神が隠した』こと。

でもそれはまた、あの屋敷の惨劇も同じことなのだ。
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