忘却の勇者

もしかしたらまた魔物かもしれない。


コーズはいつでもナイフで攻撃できるように足のベルトに右手をかざし、恐る恐る空いている手で草を掻き分けた。


コーズが見たものとは……!


「……ガキ?」


うつ伏せに倒れた少年だった。


黒いコートに身を包んだ小さい少年。見た目は十二かそこらであろうか。


魔物に襲われたのか。だとしたら大変危険だ。


「おい! 大丈夫か!」


少年を仰向けに直すと、コーズの動きが突如止まった。


「嘘だろおい……」


が、すぐに正気を取り戻し、少年を草無理から引きずり出す。


目だった外傷は見当たらない。もしや毒に当てられたのかもしれない。

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