君はガラスの靴を置いていく




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その後、少し話して糸井千花は調理実習の授業へと戻っていった。

まだまだ押しは足りないけど別に焦る必要はない。



『あー暑いっ!体育の後はコーラに限るよね』



4時限目が終わり、まるが体育から帰ってきた。

みんな炎天下のサッカーで汗だくになっている。
本当にサボって良かった。



『ねぇ、昼飯どうする?宮澤は学食?』


まるはコンビニのおにぎりを持参してきたようだ。

俺は………どうしようかな。学食もそろそろ飽きてきたんだよね。

そんな事を思っていると突然誰かに肩を叩かれた。



『みーや。調理実習でチョコマフィン作ったんだけど食べる?』


それは明日香。手には可愛いラッピングをしたチョコマフィンが2つ。


『けっこう上手く出来たんだ。食べて食べて』


明日香は俺が座っている席の隣に座り、机をピタリとくっ付けた。


俺は普段、手作りのものは貰わない。
だって怖くね?何が入ってるか分かんないし。

でも今日は学食に行くの面倒だし、昼飯ないからこれで我慢するか。


『……………どう?』


マフィンの感想が欲しいのか、明日香は食い入るように俺を見ている。


『………普通』


それしか言い様がない。

焼き菓子なんて大体こんな味だろ。


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