君はガラスの靴を置いていく
TIME OF REPEATEDLY 戻れない




それから数日が経って、俺は無断欠席や無断早退の事で担任に呼び出された。長々と説教されたあげくに何故か人生論を語られて気分は最悪。

そもそも腹が痛いって言ってこの前帰ったのに心配した担任が家に電話してきて、おふくろが「洋平ならまだ帰ってきてません」なんて言うから色々バレたんだ。


『ねぇ、5組メイド喫茶候補に上がってるって本当?やめてよ、うちはメイドじゃないけど占いカフェやろうとしてるんだから』


食堂前の自動販売機。ひとりでひなたぼっこしていると飲み物を買いに来た明日香が現れた。

しかも珍しく友達付き。


確かに1ヶ月後の文化祭の話は本格化していた。
2学期ってこれがあるから嫌いなんだよな。

出し物を決める話し合いも多くなるし、放課後残らなきゃいけないし。手間がかかると分かってるのにクラスの奴らはお化け屋敷とかメイド喫茶やりたいとか言い出すしさ。



『『明日香ちゃん先行ってるね~』』

明日香と一緒にいた数人の女子は足早に立ち去ってしまった。多分同じクラスの奴らだろうけど、
明日香が女子とつるむ姿なんて初めてみたかも。


『つーか友達いたんだ』

『は?なにそれ、超失礼なんですけど!』

だってみんなでワイワイやるのは好きだけど、女子だけの集団とか毛嫌いしてたじゃん。女子はうわべだけで信用できな~いって。



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