君はガラスの靴を置いていく



いつの間にか校内の客や生徒はほとんど体育館に流れていき、仕事中のクラスメイトでさえ居なくなっていた。


『え、やば。全然人居ないじゃん!』

やっと帰ってきた増田とまる。

つーかお前らこそ全然仕事してねーじゃん。結局1番やる気ない俺がやってるとかどうゆー事だよ。


『俺達もステージ見に行こうぜ』

『嫌だ』

増田の誘いをばっさり切った。

なんで俺が先輩のバンド見なきゃいけない訳?
ただでさえ千花が行っちゃって気分悪いのに。


『増田は先輩達の前に発表するガールズバンドが見たいんだって』

まるがどこからか持ってきたステージのスケジュール表を広げて時間を確認していた。


『ほら、3年のまどか先輩達の!あとはどうでもいい』


あーそういえばまどか先輩から「見に来てね」ってメールが入ってたような……。すっかり忘れてたけど。


『いいから見に行こうぜ!どうせ客も来ないしここに居たって暇だろ?』

『…………』


結局俺は増田の押しに負けて体育館に行く事になった。


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