君はガラスの靴を置いていく
TIME OF REPEATEDLY 淡い微熱



目的地の図書館はまだ建てられて2年ほどで周りの景色と合わない外観だった。中に入ると真新しい木の匂いがして、千花はすぐ受付の方へと歩いていく。


『すいません、医療関係の本って何階ですか?』


建物は3階まであって全て様々な本が貸し出されていた。

個室で勉強出来るスペースもあるしインターネットで調べものも出来るらしい。何かを調べるって事に無縁だからちょっと場違いな感じ。


『宮澤君、私2階に行くけど……』

『あ、あぁ。俺も行く』


勉強好きにはたまらない空間なんだろうな……。
実際に本を積み上げて黙々と読んでる人いるし。


千花は本棚に書かれた案内を便りに自分の本を2、3冊手にとった。


『宮澤君はいいの?』

そういえば俺も調べものがあるって嘘ついて付いてきたんだっけ。俺は適当に絵が付いている歴史の本を取って誤魔化した。

学校帰りだけあって学生が多めだったけど知り合いはいなく、座るスペースもたくさん空いていた


『ここ来るの初めてなの?』

『うん。ずっと来たいって思ってたんだけどなかなか…』


って事は、先輩とも来た事ないって事か。
少し安心した。



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