君はガラスの靴を置いていく




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次の日、朝起きると外は猛暑だった。

エアコンのない俺の部屋は地獄でさらにここからチャリで学校に行くとなるとさらに地獄。



『はぁ………。面倒くせぇ………』


そう言いながらも学校に行く支度をした。


外に出るとやっぱり暑くて、俺は風に当たる為に速くペダルを漕いだ。


まるとはいつも通学途中で合流する。

別に待ち合わせしてる訳じゃなく、ばったり会ったら一緒に登校してるだけ。

いつもの時間に居なかったら大体どっちかが寝坊してる事が多い。今日はどうやらまるが寝坊らしい。



『あっ、みやー!おはよう。乗せて乗せて』


まるの代わりに合流したのは明日香だった。

しかも相手は徒歩だから強制的にニケツ。
ただでさえ暑いのに。



『私が朝から学校に行くってすごくない?こんなに早く起きたの久しぶりだよ』


明日香は優雅に俺の後ろに乗っている。



『どうせ単位やばいんだろ。つーか久しぶりなら歩けよ』


『はは、バレた?だって進級しないとみやに会えなくなるし。ってか付き合う?ねぇ、ねぇ』


明日香は俺の背中をツンツンしてくる。

明日香が言う事はほとんど本気じゃない。9割がその場のノリと雰囲気。

だから俺もいちいち相手にしない事にしている。



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