君はガラスの靴を置いていく
俺はイライラしながら残っていたハンバーガーを
一気に食べた。
千花達は空いている席を探し、俺達から見えない死角へと座った。
ってか隣も空いてるけど?
絶対豊津先輩、俺から千花を見えないようにしてるだろ。ここぞとばかりずっと隣に居るし。
【俺と来た時はウーロン茶だけだったのに】
俺はわざと千花にメールした。
先輩の横で俺とメールするってなんかいいじゃん。密かな優越感みたいで。
暫くして千花から返信が来た。
【この前はお腹すいてなかったから……。】
いつもより短い内容。俺は考えた末にもっと困る文面を千花に送ってみた。
【明日何時にする?】
絶対慌ててる。でも明日の事で頭がいっぱいになればそれって俺の事を考えてるって事じゃん。
【……え、今?】
【うん、今決めよ?何時がいい?】
【じゃぁ、7時くらい……?】
いや、7時だとみんなと会う確率が高い。もっと遅い時間でもいいけど千花の家、厳しそうだからなぁ
【6時は?俺が駅まで迎えに行くよ】
【うん、わかった】
【千花の私服、楽しみにしてるね】
その後、返信はなかったけどまさか先輩も俺達がこんなやり取りをしてるなんて思ってないだろう
確かに先輩はモテるけど、先輩が欲しいものを俺は持っている。
勝負は明日の夏祭り。そして千花の誕生日の日だ。