君はガラスの靴を置いていく
千花は淡いピンク色のワンピースを着ていて、手には可愛らしい白のバック。
耳元にキラリと光る蝶のヘアピンをしていて、普段見ている千花の雰囲気と全然違った。
『そこで待ってたら宮澤君が来たの見えたから…』
俺は自転車にまたがったまま、まだ一言も発していない。だって千花があまりに女の子って感じでびっくりしたから。
『宮澤君?』と、何も言わない俺に千花が不安な顔をしている。
『今日可愛いね。千花はいつも可愛いけどさ』
我に返りいつもの調子で言うと、やっと冷静になれたって感じがした。だって俺の周りの女子でワンピースなんて着てくる奴居ないし。
『後ろ、乗っていいよ』
俺がそう言うと前回とは違い、千花はすんなり乗ってくれた。しかも手は俺のシャツを掴んでいる。
---------------なんか千花、今日いつもと違くない?
いや、俺が違うのかも。
妙にソワソワしちゃうって言うか………。
多分、いつも制服姿だしそれは学校の延長だからこうして会う事自体が変な感じがするのかも。