君はガラスの靴を置いていく




千花はお邪魔しますと言いながら、脱いだサンダルを綺麗に揃える。


俺の部屋がある2階へ案内すると、まるが何故か
正座で待っていた。



『丸山君、こんにちわ』


そう千花が言うと、まるの背筋がピンッと伸びる。


『あ、こ、こんにちわ。汚い所だけどここ座って』


いやいや、ここ俺の家ですけど。
汚い所とか何気失礼じゃね?

俺は色々突っ込みたかったけど、このままの方が
面白そうだから止めた。


俺の部屋のテーブルはこたつとして冬は使ってる物で、大きさ的にはけっこう狭い。千花はまると対面するようにその場に座った。



『俺、とりあえずアイス冷凍庫に入れてくるから』


千花が持ってきてくれたアイスは暑さで溶け始めている。

俺は一度下へ降りて再び部屋に戻ると、二人はすでに課題の紙を広げていた。


夏休みが始まってまだ間もないのに、千花はすでに複数の課題を終わらせてる様。



『私まだ数学やってないんだけど、二人はもうやった?』


当たり前のように聞いてくる千花の隣に俺は腰を下ろす。そして一文字も書いてない白紙の課題をテーブルに出した。


『数学どころか何も手付けてないよ。俺達だけじゃ全然進まなくて』


結局、課題は千花に合わせて数字からやる事になった。俺的には終わったやつを写させて欲しいんだけどな。



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