雪月花~死生の屋敷
2009年12月26日。

私と孝也は遅めのクリスマスをする事にしたの。百貨店勤務の私は、クリスマスほど忙しい日がなく、孝也もクリスマスの日が、正月休み前日の日なので夜中まで仕事があった。

なので私たちのクリスマスは26日。今年の私たちのクリスマスは、ゆっくり仕事の疲れを癒す為に、温泉に行く事にしました。

私と孝也の住んでいる場所は雪の多い町。でも温泉街などが車で2、3時間で着く距離にあるので、そんなに時間はかかりませんでした。

孝也の運転する車で私達は、温泉宿に向かう事にしました。

そして…事件は起きました。

2、3時間で着く距離と言っても、通る道は峠道。高速は通っているのですが、高速を乗ると余計に時間がかかると言う事で、孝也は峠道を通る事を選択しました。

峠の名前は仙波峠。

標高は1000mを超えるその峠は、事故が非常に多い場所でした。主にバイクを運転するライダーや、大型のトラックが事故を起こす事が多く、私はこの峠を通る事に嫌な予感がしていました。

頂上付近は、夏場は霧が多く、冬は一面雪景色。路面凍結がひどい時は、通行禁止になるほどの峠なのですが、この日は天気も良好で、通行禁止にはなっていませんでした。

孝也の運転は、私が居る事もあり安全運転。後ろから車が来た時は、ハザードを着け追い越しをさせるなどをし、急ぐことなく車を運転してました。

それもこれも私を危険な目にあわせない為に孝也がしてくれた好意。孝也はいつでも私の事を大切にしてくれる。

小さな事だけど、そんな孝也の優しさが、私に一番の幸せを与えてくれました。
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