雪月花~死生の屋敷
「消したって…ユキちゃんが拭いてくれたの?」
でも拭いたからと言って、血の跡を完全に消せるものではない。しかもユキちゃんは手ぬぐいの類は持っていないはず。
「違うの。あの男が消えたから、血も消えたの…」
男が消えたから、血も消えた…。確かに男の無残だった死体はどこにも見当たらなかった。
「あの…殺しちゃったって事?」
凄く聞きずらい事だが、知りたい気持ちに負けてしまう。ユキちゃんは少し考える素振りを見せると、素直に答えてくれた。
「ちょっと違うかも。私達はすでに死んでいるから、もう死ねないの。霊魂の力を壊して、眠りにつかせたの…しばらく復活出来ないの」
すでに死んでいるからもう死ねない。言われてみるとそうかも知れない…。
どうしても霊魂が死んでいると認識出来ない。実態があって、会話が出来る霊魂は、私と何も変わらない様に見えるから。
固定概念がすごい邪魔をしている気がする。
「つまり…霊魂の力を封じたって事なのかな?」
「うん。正解…」
ユキちゃんは、小さな拍手を私に送ってきた。ニコニコ笑っているものの、何かシュールな光景に見えてしまう。
「私達のケンカって手加減出来ないの。壊さないと終わらないの…怖かったけどもう慣れたの」
慣れたか…。生活環境が変われば、常識も変わってしまう。
私には凄く残酷に見えた光景だったけど、仕方のない事なのかもしれない。だって迷彩服の男は、明らかに頭がおかしい人だったから…。
引いたとしても、すぐに何かしらの手を打って、私を殺そうとするに違いなかったし。
「ありがとうねユキちゃん…助けてくれて」
私の側でしゃがみ込んで居たユキちゃんを、側に引き寄せ抱きしめた。ユキちゃんも身体を私に預けてくれる。
でも拭いたからと言って、血の跡を完全に消せるものではない。しかもユキちゃんは手ぬぐいの類は持っていないはず。
「違うの。あの男が消えたから、血も消えたの…」
男が消えたから、血も消えた…。確かに男の無残だった死体はどこにも見当たらなかった。
「あの…殺しちゃったって事?」
凄く聞きずらい事だが、知りたい気持ちに負けてしまう。ユキちゃんは少し考える素振りを見せると、素直に答えてくれた。
「ちょっと違うかも。私達はすでに死んでいるから、もう死ねないの。霊魂の力を壊して、眠りにつかせたの…しばらく復活出来ないの」
すでに死んでいるからもう死ねない。言われてみるとそうかも知れない…。
どうしても霊魂が死んでいると認識出来ない。実態があって、会話が出来る霊魂は、私と何も変わらない様に見えるから。
固定概念がすごい邪魔をしている気がする。
「つまり…霊魂の力を封じたって事なのかな?」
「うん。正解…」
ユキちゃんは、小さな拍手を私に送ってきた。ニコニコ笑っているものの、何かシュールな光景に見えてしまう。
「私達のケンカって手加減出来ないの。壊さないと終わらないの…怖かったけどもう慣れたの」
慣れたか…。生活環境が変われば、常識も変わってしまう。
私には凄く残酷に見えた光景だったけど、仕方のない事なのかもしれない。だって迷彩服の男は、明らかに頭がおかしい人だったから…。
引いたとしても、すぐに何かしらの手を打って、私を殺そうとするに違いなかったし。
「ありがとうねユキちゃん…助けてくれて」
私の側でしゃがみ込んで居たユキちゃんを、側に引き寄せ抱きしめた。ユキちゃんも身体を私に預けてくれる。