恋を、拳と共に
藤沢は萩野さんとふたりで、ひっそりと教室の隅のほうで弁当を食べている。
俺は教室の後ろの方のドアから入り、あまり目立たないようにしながら、彼女たちの方に向かった。
空いてる椅子を彼女たちの机に寄せて座りながら、買ってきたお土産を机に置く。
「ども、……先ほどのお礼になればと、お持ちしました」
そう言いつつ、二人の方へ、お土産をそろそろと押し出してみる。
少しの間のあと。
黙って俺の動きを見ていた萩野さんが、声を上げて笑い出した。
「あははは、何事かと思ったー!」
藤沢は少し困った表情で、でも笑いながら言う。
「お礼なんて、いいのに……」
俺もつられて笑いつつ言った。
「いや、ホント助かったから。ふたりで食べて」
「何だかかえってごめんね、とりあえずリンゴジュース、もらうね」
「便乗しちゃったみたいけど、ありがと、ごちそうさまっ」