恋を、拳と共に

康太 2


昼休み。

「すまん……康太」

この前、祐一が藤沢のメアドを訊いてきてやる、って言ってくれた次の週。
祐一から、失敗したことをいきなり謝られた。

「いや、いいよ別に。『たこ清』でのお礼がなくなっただけだし」

「うん……」

「今度おごりとかじゃなくて、一緒に食べに行こうぜ」

「ほんと?」

祐一は、"一緒に食べに"の辺りで顔を上げ、キラキラした目で俺を見た。


……ほんとこいつ、たこ焼き好きだな。



< 25 / 185 >

この作品をシェア

pagetop