ノイズ
校門が見えてきたので、可奈は自転車のスピードを少し落とした。


東邦学園は私立の名門校として知られているが、不景気の煽りもあり、ここ数年生徒数が減少していた。


それでも有名ブランドの制服は憧れの的であったし、特別カリキュラムを組むなど大学進学に力を入れ、今年は何とか生徒数の減少を食い止めることが出来たらしい。


ギリギリの成績で合格した可奈にとっては、この学園の制服を着れただけでもラッキーなことなのだが。


予想通り学園の周りには、大勢のマスコミが待ち構えていた。


リポーターに捕まってインタビューを受けている生徒もいたが、ほとんどの生徒は無視して校内に入って行った。


自転車を駐輪場に置くと、生徒用の玄関に向かって歩く。


1年3組の教室に入ると、可奈と仲のいい村上沙織(ムラカミサオリ)が近づいてきた。


「裕美のこと、もう聞いた?」



「……うん」



可奈は静かに頷いた。
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