ノイズ
突然の激しい目眩に、まっすぐ立っていられなかった。


「可奈、しっかりしろ!」



全身から血の気が引いていく感覚とともに、可奈は意識を失った。



どのくらい時間が過ぎたのだろう。


目覚めると白い壁に囲まれた部屋にいた。


簡易ベッドに寝かされている所をみると、どうやら保健室らしい。


頭だけを動かして周りを眺めると、カーテンの仕切り越しに人影が見えた。


保険医の鈴木先生だろうか。


ゆっくりと上半身を起こしてみる。


どうやら目眩や吐き気はないようだ。


掛布団を捲って、ベッドの下に置いてあった自分の上履きを履いた。

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