ノイズ
仕方なくソファーに座ってペットボトルの紅茶を飲んでいると、沙織が戻ってきた。



「お母さん迎えに来てくれるって。それで悪いんだけど、可奈のとこで待たせて貰える?」



「うん。いいよ」



沙織の家は隣町にある。


車でどんなに急いだとしても2時間はかかる計算だ。



「家でゆっくり休んだ方がいいよ。っていうか、あたしの家じゃないけど」



可奈と沙織は顔を見合せてクスリと笑った。


母親を早くに亡くし、父親も海外赴任中で不在のため今は後藤家の世話になっている。


文也の母紀子は実の娘のように可愛がってくれたし、文也とも兄弟のように仲が良いので、可奈は気がねすることなく本当の家族のように暮らしていた。


二人は正面入口から病院の外に出た。


後藤家までは徒歩5分の道のりである。


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