ノイズ
「どうだろ。ちょっと待って……」



沙織はそう言って制服のポケットの中を探し始めた。


スクールバッグを無くしたせいで、財布すら持っていない沙織には携帯電話だけが頼りだった。



「可奈。あったよ!」



沙織はスカートのポケットから携帯電話を取り出してみせた。



「きっと心配してるから早くお母さんに連絡した方がいいよ」



「そうだね。お母さんに電話してくる」



沙織は携帯電話を持って通話可能な正面入口に歩いて行った。


そんな沙織を見送るように軽く手を振ると、可奈は自販機へと向かった。


小銭を入れ選択した紅茶のボタンを押す。


紅茶の入ったペットボトルは予想外に冷えておらず、何だかアンラッキーな気分になった。



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