ノイズ
水槽に近づくと、髪の長い裸の女が浮かんでいる。






青白い裸体は人形のようにも見えるが、それは特別なエンバーミングを施された人間の遺体だった。





有栖川教授は縦長の水槽にそっと触れると、女の裸体を水槽越しに撫で回し始めた。






「……君は本当に美しい……」






思わず吐息が漏れる。






水槽越しに裸体を撫で回していると、股間が次第に熱くなって行くのが感じられる。






はて。自分は屍体愛好者ではなかったはずだが。






そうか。この女が自分にとって特別な存在になったのだ。







有栖川教授は裸体の女をじっと見つめると、両手を広げて愛おしむように水槽を抱きしめた。







水槽に掲げられたプレートには[Rie]と書かれていた。




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