賢者と僕
勉強と優雅に読書をしていると、どこからともなく白い紙クズのボールががり勉の頭に「ぽん。」と当たった。それに俺は気づいたが、気づかないふりをした。
(なんだ?)
またしばらくすると紙くずががり勉に当たった。今度は「くすくす。」と笑い声が聞こえる。がり勉の顔も気づいた顔している。それがまた2、3回起こった。隣のベンチにたむろっている集団の仕業らしい。
「おーい、変人、こっち向いて。」がり勉と俺が
「変人、はやく大学やめてくれ~」
「くさいから授業うけないでくれよ先生方もいやがってるぞ。」
がり勉は嫌な顔をする。俺もイラっときた。馬鹿な連中はさらに続ける。
その中の内の一言が俺を怒りで心頭させた。
「お前なんか先生に向いてないし、採用試験なんか受かんないぜ。」
体が勝手に動いた、そして馬鹿な連中に向かって行こうとした。
「待って。」
と、がり勉が大きな声でいい俺の腕を掴んだ。
「おい、がり勉お前、あんなこと言われてるんだぞ!!怒れよ。それが普通だろう。紙クズあてられ、笑いながら馬鹿にされてんだよ!!」
がり勉の手をふり払ほうとした。
「いいから、奴らはそんだけで手はださないからそのままそっとしてくれ。」
がり勉はより強く俺の手を掴んだ。
「意味わからね!悔しくないのか、怒らないのか、殴りたくないのか。お前にそれがないのか!!」
「………あるよ、あるよ。でも、お願いだから平和な生活するにはこれが一番いいんだお願いだからそこのベンチにまた座ってくれ。」
俺は馬鹿な連中を殴りたかったが仕方がなく座った。
タバコを吸い烟をがり勉に吹きかけた。
「で、何でお前はあんなことされているんだ。」
「…それは、酷いことをしたから。」
「はっ?誰が誰にさ」
「う、うん僕があいつ等に。と言うか、学科全体に大変なことをしたと思う。」
「それは何さ?」
「言えない。」
「言えよ。」
「それでも言えない。」
沈黙がすこしあった俺はイライラした。テーブルを「バン!!」と叩き、立ち去った。
がり勉との距離が10メートルぐらいの時、がり勉が、
「僕のために怒ってくれてありがとう。秀司クンかっこ良かったよ。」
俺は聞いてない振りをしてそこをさった。


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